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第9回「 音楽業界内部における業界習慣 〜著作権と原盤権〜 」

コラムニスト:豊田 貴志 【アーティスト】

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僕は最近は、原盤権は自分の会社で持ちながら当初売上予想分の原盤使用料を戴いてます。この方式だと予想ほど売れなかったとしても大丈夫だし、予想以上に売れた場合でもソレはソレで受け取れるというもので納得できる契約だと解釈しているのです。

さて、そこで JASRAC と作曲家や作詞家の関係についてですが、途中に音楽出版社という著作権管理会社を介在させるケースが多くて、これがよく言われるところの「プロダクション」に相当します。この音楽出版社は、 JASRAC が徴収した著作権印税から JASRAC の手数料を差し引いた分。それから更に通常作曲者と作詞家が別人である場合は3等分、作詞、作曲者が同一人物の場合、あるいはインストゥルメンタル曲の場合2等分が分配されます。

『睡眠楽-リラックスから入眠ヘ-』

ARTIST :豊田貴志
発 売 元 :キング
品   番 :KICS-2324
価   格 :\1,980-[TAX IN]
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作詞者あるいは作曲家が個人としてJASRAC と契約することもできますが、その場合、契約上すべての楽曲が JASRAC 管理になってしまうので抜け道がありません。音楽出版社を通じてなら、曲によっては楽曲を音楽出版社に預けさえしなければ JASRAC に必ずしも手数料を払う必要はありません。

使用目的がハッキリしている、或いは誰かに無断使用されても構わないと考える曲なら、 JASRAC とは関係なく自分で著作権を 100 %持っていた方が、管理手数料を払わなくても良い分お得です。

また現在では「第 2JASRAC 」とでもいうべき著作権管理団体がJASRAC 以外にも参入してきましたので、他の音楽出版社か自分で新しく第 2JASRAC 用に別の会社を作ってソコで第 2JASRAC と取引することも可能です。

■豊田 貴志

1959年生まれ名古屋市出身。
5歳でバイオリンを始める。13歳で山本直純にその才能を認められ、TBSテレビ「オーケストラがやって来た」に出演。

翌73年には新日本フィルと共演し、74年には全国学生音楽コンクールで古沢巌に次いで銀賞となる等、70年代には主に クラッシクのバイオリニストとして活躍する。

80年代には東京芸術大学在住中から後藤次利、鈴木茂等と共にスタジオ・ミュージシャン、アレンジャーとして数多くのアーティストのレコーディングに参加。またギターの北島健二等と共に原田真二&クライシスのキーボード奏者としても活動。世良正則&ツイスト、もんた&ブラザーズ等と共に今日のJ−ROCK繁栄の基礎を築いた。

90年代に入り、自然を求めて東京から日本の源郷とも言われる熊野(和歌山県那智勝浦町)に移住した後は、アルファー派ミュージックや1/fゆらぎサウンドの発明者として知られるようになり、自身の作曲・演奏による数々のソロアルバムCDはいずれも超ロングランのベストセラーに、また有線やサテライト、インターネット等の専門チャンネルでも頻繁にオンエアされる。

2000年には明治神宮にて原田真二、松田聖子とジョイントで開催「鎮守の森コンサート」他、伊勢神宮、厳島神社等でコンサートを開催。

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いずれにせよ音楽出版社というのは作曲者や作詞者と同じく曲が売れるほど、利益が上がる立場なので、そういう点ではレコード会社系の音楽出版社よりも新聞社や放送局の系列企業の音楽出版社等、プロモーション力が有る各メディアの関連会社の音楽出版社や広告代理店の音楽出版社に曲を預けるのが賢明だと思います。

それから原盤権というのは、基本的に音源の制作費を負担した者が所有できます。制作費の内の殆んどはスタジオ使用料ですから、今日のようにミュージシャン自らが原盤権所有者になり得ます。 また原盤権を売却もできます。

勿論、欲しいと言うところには、どちらに売っても構わないのですが、いわゆるレコード会社が直接原盤権を持った場合、彼らは原盤権印税以外の CD そのものから得られる収入もある為に、あまり必死になって売らなくても元がとれるのでソレほど頑張って枚数を売ろうとはしません。

もし、原盤権まで売却しようとするのなら、先ほどの話にもでてきた音楽出版社のようなところの方がよいでしょう。相手が欲しがればの話ですが・・・。

この場合、原盤権の価格ですが、それは交渉によって決まります。つまり、このアルバムはどれくらい売れるだろうか?にかかっています。その上で、交渉が成立してその金額が決まったとして請求書の内訳はヤハリ何に幾らかかったか?という書き方になります。

それは、一時間幾らのスタジオを何時間使ったか?とか自給幾らのミュージシャンが何時間作業したか?みたいな内容になりますが、結果的に金額が合えば誰も文句は言わないでしょう。

著作権印税の CD 一枚あたりの金額は JASRAC 等管理団体の規定、原盤印税の金額はレコード会社いわゆる CD メーカーとの交渉によります。だいたい卸売り価格の一割くらいが相場でしょうか?

まだまだ、いろいろな要素がありますが、今回は最重要素である、出版権と原盤権についてお話させて頂きました。

それでは、またいずれ、ごきげんよう。

ミナサン頑張って下さい。
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